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「人を笑顔にする計算」

冬季休業明け始業式校長講話

「命を大切に」という原点をテーマに

おはようございます。そして、新年あけましておめでとうございます。と、晴れやかな気持ちでいきたいところですが、そう申し上げにくい気持ちは、私だけではないと思います。1月1日は誰もが気持ちを新たにし、一歩を踏み出したい日であるはずですが、能登半島を大地震が襲いました。まだ、あれから10日も経っていません。水道や電気などのインフラ、物流を接続する道路や港などが寸断され、現地で支援が進まない大変な状況になっております。犠牲になられた方々にお悔みを申し上げ、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げましょう。

大河は一滴から

皆さんの中には、被災現場に親せきや知人がいるかもしれません。何かしてあげなくてはという気持ちに駆られる人もいるでしょう。また、私たちが普段当たり前と感じている場面や機会を奪われた同世代に、思いをはせることも大切です。学校どころではない状況、家族や友達の安否がわからない、学校はいつ始まる、大会が近いけどそれどころじゃない、受験を控えているがどうなるか、受験票は?使い込んだ問題集は?私たちの身近に照らして想像すると胸が痛くなります。今、被災地は混乱を極める状況でしょうが、今後、個人からの物資を受け入れる準備や、義援金を受け入れる体制が整うはずです。ぜひ自分たちにできることは何かを考えていきましょう。できる範囲で構いません。私たち一人ひとりができることは、微力です。しかし、束になれば大きな力になります。大河になる川も、一滴から始まります。

さて、終業式では、自分のよいところを褒め、大切にすること、やる気の出し方のヒントを伝えました。

今日は「命を大切に」という原点をテーマにします。自然災害は、いつ、どこで起こるかは予測がつかず、被害を最小限にするために日頃から備えるしかありません。しかし、人間関係の悩みで命を失うことは、何としても人間の力で止めなければならない。金高での学校生活で、互いの心を支えあう気持ちを高めること、いじめを絶対にしないこと、周りがいじめを生む空気を作らないことを、約束してほしいと思います。

一人一人が大切な存在

誰もが知っていることですが、私たちは、決して、人の体を傷つけてはなりません。それは犯罪となります。それと同じように、言葉や態度で、人の心を傷つけることも決してしてはなりません。言葉や態度が、あなたにはそのつもりがなくても、人を傷つけることがあるかもしれないことを知っていてください。いじめを受けた人の中には、トラウマが消えず、ずっと苦しみ続けているひともいます。転校などの進路変更で、描いていた人生が変わってしまう人も中にはいます。そういう意味では、いじめが「相手の人生を変える」ほど、重大で深刻なものであると忘れないでほしいのです。自分との「違い」が違和感となって、言葉や態度に出てしまうことがあるのかも知れません。しかし、あなたが、あなたのままで、生かされたときに最も充実するように、人は皆、その人らしく違っていて当たり前なのです。違っているから学び合い、互いの器が広がるのです。お互いに違うことを受け止め、思いやることができれば、お互いを傷つけることは無くなると思います。それでも、もし、あなたが傷つける立場になってしまったら、そして、それに気がついたのなら、そのつもりではなかったことを説明して、きちんと「ごめんなさい」と謝りましょう。それは誠実な態度です。そのような人であってほしいと願っています。逆に、あなたが傷つけられた立場になったとして、そしていじめの相手が気づいていなかったとしたら、その時、つらい思いを一人で抱え込まないでください。誰かが他人を傷つけている場面に出会ったときは、相手に気付かせるか、止めるかのアクションを起こしてください。それでも難しい時は、すぐに相談してください。人の目が気になる時は、オンラインの相談窓口があります。みなさんは、私たちにとって一人ひとりが大切な存在です。皆さんを決して一人にはしません。

+-×÷人を笑顔にする計算

年の初めに重い話となってしまったので、「人を笑顔にする計算」という話でまとめます。 みなさんは、四則演算は知ってますね。+、-、×、÷の4つの記号は人を笑顔にする計算も同じ記号です。昔、このようなテレビCMがありました。+は、たすけあう。-は、ひきうける。×は、声をかけあう。そして、÷は、わけあう。それは、人を笑顔にする算数、思いやり算、ほら、優しいでしょ。というテレビのCMでした。困っている人がいれば、助け合い、損な場面は、笑顔で引き受ける、よく声をかけあい、喜びも悲しみも分かち合う。 状況によっては難しいと思いますが、是非、使えるときに、実践してください。そして、人を笑顔にする計算や、おもいやり算のある学校、家庭、職場にしていきましょう。

昇龍の年にふさわしい学校へ

3年生は卒業まで、残り52日となりました。どうか最後まで、有意義な高校生活を送ってください。今年の十二支の干支は辰です。大空を悠々と駆ける龍の年。成長・開運の年ともいわれています。令和6年も、生徒・職員全員で、さらに素晴らしい学校を作り上げ、発展させていくことを期待し、始業式にあたっての挨拶とします。    
 (2024.1.9)校長  三森 健


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